クラウド会計ソフトの二大巨頭、freeeとマネーフォワード。「結局どっちがいいの?」と聞かれることが多い。
両方を業務で使った経験から、正直に比較します。
結論
- 経理の知識がない・1人で完結させたい → freee。UIがわかりやすく、確定申告まで一本道
- 簿記の知識がある・バックオフィス全体を統合したい → マネーフォワード。会計だけでなく12サービスが基本料金に含まれる
- 迷ったらfreeeから始めるのがおすすめ。乗り換えは後からでもできる
- どちらもデジタル化・AI導入補助金で最大4/5が補助される
freeeの概要と使用感
基本情報
freeeは「経理の知識がなくても使える」をコンセプトにしたクラウド会計ソフト。個人事業主から中小企業まで幅広く利用されている。
使ってみての感想
初めてクラウド会計を使う人には圧倒的にfreee。銀行口座を連携するだけで、仕訳が自動で提案される。「勘定科目って何?」というレベルでも確定申告まで辿り着ける。
一方で、簿記の知識がある人には「お節介」に感じる部分もある。freee独自のUIに慣れが必要で、「普通に仕訳を切りたいだけなのに」と思うことがある。
料金(2026年3月時点)
個人事業主向け
| プラン | 月額(年払い) | 月額(月払い) | 主な機能 |
|---|---|---|---|
| スターター | 980円/月 | 1,780円/月 | 確定申告、基本的な記帳 |
| スタンダード | 1,980円/月 | 2,980円/月 | 消費税申告、インボイス対応 |
| プレミアム | 3,316円/月(年払いのみ) | – | 電話サポート、税務調査サポート |
法人向け
| プラン | 月額(年払い) | 主な機能 |
|---|---|---|
| ひとり法人 | 2,480円/月〜 | 基本的な記帳、確定申告 |
| スターター | 3,480円/月〜 | 請求書、経費精算 |
| スタンダード | 5,480円/月〜 | 予実管理、部門別管理 |
※最新の料金はfreee公式サイトでご確認ください。
freeeの強み
- 自動仕訳の精度が高い。使い込むほど学習して賢くなる
- 確定申告の導線が完璧。質問に答えるだけで申告書が完成する
- UIが初心者向け。専門用語をできるだけ排除している
- モバイルアプリが使いやすい。レシート撮影→仕訳が楽
- インボイス制度対応が標準で組み込まれている
freeeの弱み
- 複合仕訳が入力しにくい。freee独自のUI設計がネック
- 簿記経験者には違和感がある操作体系
- 上位プランでないと使えない機能が多い(消費税申告はスタンダード以上)
マネーフォワード クラウドの概要と使用感
基本情報
マネーフォワード クラウドは、会計・確定申告・請求書・給与・勤怠・経費・契約など、12サービスが基本料金に含まれるバックオフィスプラットフォーム。
使ってみての感想
簿記の知識がある人には使いやすい。仕訳入力が「普通の会計ソフト」に近いので、弥生やMJSから乗り換えても違和感がない。
最大の強みは、会計+給与+勤怠+経費が基本料金内で連携できること。以前はサービスごとに別契約だったが、現在はパッケージプランで12サービスが使い放題。コスパが大幅に改善した。
料金(2026年3月時点)
個人事業主向け
| プラン | 月額(年払い) | 月額(月払い) | 主な機能 |
|---|---|---|---|
| パーソナルミニ | 900円/月 | 1,280円/月 | 基本記帳、確定申告 |
| パーソナル | 1,280円/月 | 1,680円/月 | 消費税申告、インボイス対応 |
| パーソナルプラス | 2,980円/月(年払いのみ) | – | 電話サポート |
法人向け
| プラン | 月額(年払い) | 主な機能 |
|---|---|---|
| ひとり法人 | 2,480円/月 | 会計+請求書+契約 |
| スモールビジネス | 3,278円/月 | 上記+勤怠+給与+経費 |
| ビジネス | 5,478円/月 | 上記+部門管理+予実管理 |
※最新の料金はマネーフォワード クラウド公式サイトでご確認ください。
マネーフォワードの強み
- 12サービスが基本料金に含まれる。会計・給与・勤怠・経費・請求書・契約が一括
- 仕訳入力が正統派。簿記の知識があれば迷わない
- API連携が豊富。銀行・カード・ECサイト等
- レポート機能が充実。キャッシュフロー計算書も自動生成
- 個人事業主向けの最安プランが900円/月。業界最安水準
マネーフォワードの弱み
- 初心者にはハードルが高い。freeeほど手取り足取りではない
- 確定申告の導線がfreeeほどスムーズではない
- UIの洗練度はfreeeにやや劣る
比較表
| 項目 | freee | マネーフォワード |
|---|---|---|
| 初心者の使いやすさ | ◎ | ○ |
| 簿記経験者の使いやすさ | △ | ◎ |
| 自動仕訳の精度 | ◎ | ○ |
| 複合仕訳の入力 | △ | ◎ |
| 確定申告の導線 | ◎ | ○ |
| バックオフィス統合 | ○ | ◎(12サービス込み) |
| モバイルアプリ | ◎ | ○ |
| API連携 | ○ | ◎ |
| サポート体制 | ○ | ○ |
| 最安プラン(個人・年払い) | 980円/月 | 900円/月 |
| インボイス対応プラン(個人・年払い) | 1,980円/月 | 1,280円/月 |
会社規模別のおすすめ
1人社長・個人事業主
迷ったらfreeeのスタータープラン(980円/月)から。
確定申告まで一気通貫でできるfreeeが楽。経理に時間をかけたくない人に最適。ただし消費税申告(インボイス対応)はスタンダード以上が必要な点に注意。
コスト重視ならマネーフォワードのパーソナルミニ(900円/月)が最安。ただし消費税申告はパーソナルプラン以上。
5〜10人の会社
- 経理担当がいない → freee
- 経理担当がいる(簿記知識あり) → マネーフォワード
- 給与計算・勤怠管理も一緒にやりたい → マネーフォワード(12サービス込みで割安)
10〜50人の会社 → マネーフォワード
会計+給与+勤怠+経費の統合ニーズが出てくる規模。マネーフォワードの12サービス一括パッケージが本領を発揮する。freeeでも法人プランで対応可能だが、マネーフォワードのほうがバックオフィス統合に強い。
乗り換えは簡単にできる?
「途中でfreeeからマネーフォワードに乗り換えたい(またはその逆)」という場合、仕訳データのインポート/エクスポートで対応可能です。
ただし、期の途中での乗り換えは非推奨。決算・確定申告が終わったタイミングで切り替えるのがベスト。
Obsidianとの組み合わせ
freeeやマネーフォワードは「経理処理」のツール。でも経営の意思決定に必要な思考整理はObsidianが向いている。
- Obsidian:売上分析のメモ、経費削減のアイデア出し、キャッシュフロー改善の検討
- freee/マネーフォワード:実際の仕訳入力、請求書発行、確定申告
「Obsidianで考えて、freee/MFで処理する」というフローが回ると、経理が単なる作業ではなく経営改善のサイクルになる。
デジタル化・AI導入補助金で導入コストを抑える
freeeもマネーフォワードも、デジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金)の対象ツールです。
特にインボイス枠(インボイス対応類型)で申請すれば、補助率は最大4/5(小規模事業者の場合)。
具体的なシミュレーション
| 項目 | freee | マネーフォワード |
|---|---|---|
| 導入プラン | スタンダード(個人・年払い) | パーソナル(年払い) |
| 2年間の費用 | 47,520円 | 30,720円 |
| 補助率(小規模事業者) | 4/5 | 4/5 |
| 補助額 | 約38,000円 | 約24,500円 |
| 自己負担 | 約9,500円 | 約6,200円 |
2年間で1万円以下の自己負担でクラウド会計が使える計算。これを使わない手はありません。
※「デジタル化・AI導入補助金 2026年度 完全ガイド」で申請方法を詳しく解説しています。
※「freeeを補助金で導入する方法」で具体的な手順もどうぞ。
まとめ
| こういう会社に | おすすめ |
|---|---|
| 経理知識なし、まず始めたい | freee |
| 簿記経験あり、正統派がいい | マネーフォワード |
| バックオフィス全体を統合したい | マネーフォワード |
| とにかくコストを抑えたい | マネーフォワード(パーソナルミニ 900円/月) |
| 確定申告を最も簡単に済ませたい | freee |
迷ったらfreeeのスタータープランから始めて、物足りなくなったらマネーフォワードへ乗り換える、というのが失敗しない選び方です。どちらも無料トライアルがあるので、まずは触ってみてください。
※「実際に業務で使ってるSaaS全公開」でfreee・マネーフォワード以外のツールも紹介しています。
※「デジタル化・AI導入補助金で導入できるSaaS一覧」で対象ツールを確認できます。
