長年 Evernote を使ってきたけれど、最近の料金改定や機能変更をきっかけに乗り換えを検討している方は少なくありません。移行先の有力候補として挙がるのが Obsidian です。この記事では、Evernote から Obsidian への移行手順を具体的に解説し、スムーズに引っ越しするためのコツと注意点をまとめます。
なぜ今 Evernote から移行を検討すべきなのか
Evernote は 2012 年前後に爆発的に普及したノートアプリの先駆者です。しかし近年は無料プランの制限強化、料金プランの値上げ、開発体制の変化などが続き、ユーザーの間で不安が広がっています。
一方の Obsidian は、データがローカルの Markdown ファイルとして保存されるため、特定のサービスに依存しません。仮に Obsidian の開発が終了しても、ファイルはそのまま残ります。長年蓄積してきたノート資産を安全に保管したいという理由から、移行を決める方が増えています。
もちろん、Evernote には Web クリッパーの優秀さや OCR 検索など独自の強みがあります。移行前に「自分が本当に必要としている機能は何か」を整理しておくことが大切です。
Evernote からノートをエクスポートする
移行の第一歩は、Evernote からデータを書き出すことです。
- Evernote デスクトップアプリ を開きます(Web版ではエクスポートできません)
- 移行したいノートブックを選択します
- ノートブック内の全ノートを選択(
Ctrl+A/Cmd+A)します - メニューから 「ノートをエクスポート」 を選びます
- 形式は ENEX(.enex) を選択して保存します
ノートブックごとに .enex ファイルを作成するのがおすすめです。一度にすべてをエクスポートすると、後の整理が大変になります。
Obsidian の Importer プラグインで変換する
Obsidian には公式の Importer プラグイン が用意されており、ENEX ファイルを Markdown に一括変換できます。
- Obsidian で新しい Vault を作成します
- 設定 → コミュニティプラグイン → 「Importer」を検索してインストールします
- Importer プラグインを有効化し、コマンドパレットから 「Importer: Import data」 を実行します
- ソースとして 「Evernote (.enex)」 を選択します
- 先ほどエクスポートした
.enexファイルを指定します - 出力先フォルダを設定し、インポートを開始します
変換処理はノート数に応じて数分〜数十分かかります。数千件規模の場合は、ノートブック単位で分けてインポートすると安定します。
移行後のノート整理のコツ
インポートが完了したら、すぐに完璧な整理をしようとしないことが重要です。以下の手順で段階的に整えていきましょう。
ステップ1:全体を把握する
まずはインポートされたフォルダ構成をざっと確認します。Evernote のノートブック名がフォルダ名として反映されているはずです。
ステップ2:不要なノートを削除する
長年使っていると、もう不要なメモがかなり溜まっています。この機会に思い切って整理しましょう。
ステップ3:タグとリンクを活用する
Evernote のタグは Obsidian のタグ(#タグ名)として変換されます。加えて、関連するノート同士を [[リンク]] でつなげていくと、Obsidian ならではの知識ネットワークが育っていきます。
ステップ4:MOC(Map of Content)を作る
重要なテーマごとにリンク集となるノートを作ると、大量のノートの中でも迷子になりにくくなります。
移行時の注意点:画像・添付ファイル・タグ
移行で最もトラブルが起きやすいのが 画像と添付ファイル の扱いです。
- 画像: Importer プラグインが画像を抽出して添付ファイルフォルダに保存し、ノート内にリンクを挿入してくれます。ただし、ファイル名が自動生成される場合があるため、必要に応じてリネームしてください。
- 添付ファイル: PDF などの添付ファイルも基本的に変換されますが、Evernote 独自の形式(手書きノートなど)は正しく変換されないことがあります。
- タグ: Evernote のタグは Obsidian の
#タグに変換されますが、ネストされたタグ構造は正しく再現されない場合があります。移行後に手動で#親タグ/子タグの形式に修正する必要があるかもしれません。 - ノート内リンク: Evernote 内部のノートリンクは変換時に壊れることがあります。重要なリンクは移行後に手動で確認してください。
まとめ
Evernote から Obsidian への移行は、Importer プラグインのおかげでかつてより格段に簡単になりました。基本的な手順は「ENEXエクスポート → Importerで変換 → 段階的に整理」の3ステップです。画像やタグの扱いで多少の手直しは必要ですが、一度移行してしまえば、ローカル保存の安心感と Markdown の汎用性を手に入れることができます。大切なのは、完璧を目指さず、まずは移行を始めてみることです。使いながら少しずつ自分の Vault を整えていきましょう。
