「Excelで案件管理するの、もう限界…」
そう思ってプロジェクト管理ツールを探し始めると、Backlog、Asana、Jiraの3つが候補に上がることが多い。ただ、この3つは得意分野がまったく違う。
全部使った上で、どんな会社にどれが合うかを正直に解説します。
結論
- 日本のクライアントとやりとりが多い → Backlog。日本語UIと課題管理+Wiki+Gitの一体感が強い
- マーケ・営業チームの業務管理 → Asana。UIが洗練されていて、非エンジニアでも使いこなせる
- 開発チームのスプリント管理 → Jira。アジャイル開発に特化した機能が圧倒的
Backlog
基本情報
ヌーラボが提供する日本発のプロジェクト管理ツール。課題管理、Wiki、Gitリポジトリ、ガントチャートが一つにまとまっている。
使ってみての感想
日本の中小企業、特にWEB制作やシステム開発の現場では一番しっくり来るツール。理由はシンプルで、「クライアントにも使ってもらえる」から。
日本語UIが自然で、ITに詳しくない担当者でも「課題を追加して」「ステータスを変更して」の操作ができる。海外ツールにありがちな「日本語だけど翻訳感がある」がない。
Backlogの強み
- 日本語UIが完璧。ヘルプもサポートも日本語
- 課題管理+Wiki+Gitがワンパッケージ。ツールを分散させなくていい
- ガントチャートが標準装備。追加費用なし
- クライアントとの共有がしやすい。ゲストユーザー招待機能あり
- 日本企業の導入実績が豊富。「Backlog使ってます」で通じる現場が多い
Backlogの弱み
- UIがやや古い印象。モダンさではAsanaに負ける
- 自動化機能が弱い。繰り返しタスクやルール設定はAsanaが上
- 海外ツールとの連携がAsana・Jiraに比べて少ない
- 料金がやや高め。スタンダードプランで月12,980円〜(30ユーザーまで)
料金(2026年3月時点)
| プラン | 月額 | ユーザー数 |
|---|---|---|
| フリー | 0円 | 10人まで |
| スターター | 2,970円 | 30人まで |
| スタンダード | 17,600円 | 無制限 |
| プレミアム | 29,700円 | 無制限 |
※最新の料金は公式サイトでご確認ください。
Asana
基本情報
米国発のワークマネジメントツール。タスク管理を中心に、プロジェクトの計画・実行・追跡を一元管理できる。
使ってみての感想
UIの美しさと操作性は3つの中で一番。「使っていて気持ちいい」ツール。特にリスト表示、ボード表示、タイムライン表示をワンクリックで切り替えられるのが便利。
非エンジニアのチーム(マーケ、営業、バックオフィス)には最もおすすめ。ただし、高機能すぎて「5人のチームにこれ要る?」と感じることも。
Asanaの強み
- UIが洗練されている。直感的で学習コストが低い
- ビューの切り替えが自由。リスト、ボード、タイムライン、カレンダー
- ルール機能(自動化)が強力。「ステータスが完了になったら担当者に通知」等
- ポートフォリオ機能。複数プロジェクトの進捗を一画面で把握
- 連携ツールが豊富。Slack、Google Workspace、Figma等
Asanaの弱み
- 日本語サポートが英語に比べると手薄
- 無料プランの制限。タイムラインやルール機能が使えない
- 小規模チームにはオーバースペック。機能を持て余す
- Gitリポジトリ連携はない。開発チームにはJiraかBacklogが適切
料金(2026年3月時点)
| プラン | 月額/ユーザー | 主な機能 |
|---|---|---|
| Personal | 0円 | 基本的なタスク管理(10人まで) |
| Starter | $10.99 | タイムライン、ルール |
| Advanced | $24.99 | ポートフォリオ、承認フロー |
※最新の料金は公式サイトでご確認ください。
Jira
基本情報
Atlassian社が提供する、ソフトウェア開発チーム向けのプロジェクト管理ツール。アジャイル開発(スクラム/カンバン)に最適化されている。
使ってみての感想
開発チーム向けとしては最強。スプリント管理、バーンダウンチャート、エピック管理がすべて揃っている。
ただし「非エンジニアに使ってもらう」のはかなり厳しい。用語も画面も開発者向けで、クライアントや営業チームに共有するには翻訳が必要。
Jiraの強み
- アジャイル開発に特化。スクラムボード、カンバンボードが標準
- バーンダウンチャート等の開発向けレポートが充実
- Confluenceとの連携。ドキュメント管理と一体化
- カスタムワークフロー。複雑な承認フローも作れる
- 無料プランが実用的。10ユーザーまで主要機能が使える
Jiraの弱み
- 学習コストが高い。設定項目が多く、初期構築に時間がかかる
- 非エンジニアには難しい。UIが開発者向け
- オーバースペックになりやすい。中小企業には機能が多すぎる
- 日本語UIの翻訳がところどころ不自然
料金(2026年3月時点)
| プラン | 月額/ユーザー | 主な機能 |
|---|---|---|
| Free | 0円 | 10ユーザーまで |
| Standard | $8.15 | 250GBストレージ |
| Premium | $16 | 高度なロードマップ |
※最新の料金は公式サイトでご確認ください。
比較表
| 項目 | Backlog | Asana | Jira |
|---|---|---|---|
| 日本語対応 | ◎(完璧) | ○ | △(翻訳感あり) |
| 非エンジニアの使いやすさ | ◎ | ◎ | △ |
| 開発チーム向け機能 | ○ | △ | ◎ |
| ガントチャート | ◎(標準) | ○(有料) | ○ |
| 自動化 | △ | ◎ | ○ |
| Git連携 | ◎(内蔵) | × | ○(Bitbucket) |
| Wiki機能 | ◎(内蔵) | × | △(Confluence別途) |
| 無料プランの実用性 | ○ | △ | ◎ |
| クライアント共有 | ◎ | ○ | △ |
| 外部ツール連携 | △ | ◎ | ○ |
シーン別おすすめ
WEB制作・受託開発 → Backlog
クライアントとの共有がしやすく、課題管理+Wiki+Gitが一体。日本の受託開発現場のデファクトスタンダード。
マーケティング・営業チーム → Asana
キャンペーン管理、コンテンツカレンダー、営業パイプラインなど、非開発業務の管理に最適。
自社プロダクト開発 → Jira
スプリント管理、バグトラッキング、リリース管理。アジャイル開発をやるなら外せない。
バックオフィス → Asana or Backlog
シンプルなタスク管理ならどちらでもOK。他部門が既に使っているツールに合わせるのがベスト。
Obsidianとの組み合わせ
プロジェクト管理ツールは「チームの共有」が目的。でも個人の思考整理にはObsidianが最強。
おすすめの使い分け:
- Obsidian: 会議メモの下書き、タスクの優先順位整理、プロジェクトのアイデア出し
- PM ツール: チームへのタスク割り振り、進捗管理、クライアント共有
「Obsidianで考えて、PMツールでチームに共有する」というフローが回ると、個人の生産性とチームの透明性が両立する。
補助金で導入コストを抑える
Backlog、Asana、Jiraはいずれもデジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金)の対象になりうるツールです。通常枠なら最大450万円、補助率は最大2/3。特にBacklogのスタンダードプラン以上は年間コストが大きいので、補助金活用のメリットが大きい。
※詳しくは「デジタル化・AI導入補助金で導入できるSaaS一覧」をご覧ください。
まとめ
| こういうチームに | おすすめ |
|---|---|
| 日本のクライアントと協業 | Backlog |
| 非エンジニアの業務管理 | Asana |
| アジャイル開発チーム | Jira |
| どれか迷ったら | Backlog(汎用性が高い) |
3つとも無料プランやトライアルがあるので、まずは実際に触ってみることをおすすめします。比較表だけでは見えない「手に馴染む感覚」はツールによって違うので。
